毎年、熱中症になる高齢者の方が増えているのですが、なぜでしょうか?
実は、こんな結果が出ています。
厚生労働省が発表した2015年7~8月の熱中症入院患者数で、
71~90歳の入院患者数は全体の47.5%と圧倒的でした。
それは、熱中症対策で効果が高いといわれる「エアコン」を付けていないのです。
今回は、高齢者の熱中症が増えた理由と症状について詳しく解説します。
高齢者の熱中症が多い理由とは
高齢になると体力が落ちるだけでなく、様々な身体能力が低下してきます。
- 体温調節機能が低下
汗が出づらくなるので体温が下がらず、身体に熱がたまりやすくなります。
- 皮膚の温度感受性も低下
強い日差しや高い室温に対する自覚が弱くなり、
ますます体温調整が難しくなります。 - 体内水分量の低下
若い頃よりも食欲が落ちてしまうために食べ物からの水分摂取量が著しく減り、
さらに喉の渇きにも鈍感になるため、慢性的な水分不足になっています。
このような熱のこもりやすい身体にも関わらず、高齢者には頑固な人が多いです。
とこれまでの生活パターンを変えたがらず、
結果熱中症で病院へ搬送、入院する人が多くなっています。
高齢者はエアコンが嫌い?
熱中症で搬送された高齢者の多くが、家でエアコンを使っていなかったと
答えるそうですが、なぜエアコンを使わないのでしょうか?
主な原因はこの3つ
- 皮膚の温度感受性が低下しているため
室温が上がっていても、自分自身が温度変化を感じていないので、
エアコンを使おうと思えません。 - 電気代を気にしすぎている
そもそも夏は暑いもの、エアコンをつけっぱなしにするなんて
電気代がもったいない! という考えが根強く残っています。例えば、6畳一間で24時間エアコンをつけっぱなしで
利用したときの電気代は約310円程度。節約するのはいいですが、もっとも大事なのは健康ですよ!
- エアコンの冷気が苦手
冷気が肌に触れると身体が冷えるので、
窓を開けて外気を取り込む程度にしておきたい、と感じてしまうのです。
近年の夏は、真夏日や猛暑日が多く続くので、
意固地にならずエアコンを使ってほしいもの。
エコ家電の開発によって、エアコンのオン/オフを繰り返すよりも、
つけっぱなしにしていたほうが電気代の安い場合が多いです。
エアコンの冷気が身体に直接当たらないように送風口の羽の向きを調節し、
温度計を室内の目につきやすいところにおいて常に室温を
確認できるようにしておくと良いでしょう。
病院へ行くべき熱中症の症状
軽度の熱中症であれば、脱水症状が起きている可能性が高いので、
風通しの良い場所で「水分補給」を行えば症状は緩和していきます。
意識があっても水分を自力で摂ることができない場合や、
水分・塩分を補給しても回復しない場合は病院へ連れて行きましょう。
熱中症にかかるとめまいや失神、頭痛、吐き気、倦怠感などの症状が出ます。
まず意識確認をして、意識がなかったり返事が
おかしかったりする場合は、すぐに救急車。
熱中症は軽度な症状から入院が必要な重度な症状まで様々。
特に、日差しが強い日には帽子・首には携帯アイスノンなど、
自分でできる対策はしておきましょう。
まとめ
高齢者は熱中症の自覚症状がないケースが多いです。
そんな時は手の甲をつまんで富士山を作り、それが戻らないときは
すぐに水分補給させるなどの対処をしてあげましょう。
自分は大丈夫だと過信しないで、
少しでも体調が悪い場合には医療機関を受診しましょう!