生まれつき脳の機能がうまく働かない自閉症。

「育てづらいな~」と感じて医療機関に
相談に行ったら、子どもが「自閉症」と診断された

夫婦にとっては大きな試練ですよね。

力を合わせて向き合っていきたいところですが、
実際には離婚を選択するケースが多いのです。

アメリカの統計に、自閉症の子を持つ親の
離婚率は80%という気になるものがあります。

実際、日本においても、「離婚」
という話になることは、少なくないようです。

その原因はいったい何なのでしょうか?
離婚を選択する親の心境について詳しくお伝えします。
   

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夫の心境:自閉症と認めたがらない

自閉症の主な特徴といえば、

  • 集団行動など社会性の欠如
  • 知能(言語)や想像力の欠如
  • コミュニケーション能力の欠如

健常児と同じように接しようとする父親の態度の裏には、
「子どもは自閉症ではない」と思いたがる傾向があります。

実際に私が、父親だったとした場合現実を
受け止めたくないという気持ちが強くなってしまうかもしれません。

普段仕事をしていて子どもと関わることの少ない父親の場合、
母親へ「おまえがきちんと育てていないだけだ」など。

一方的に母親を否定する気もちが生まれ、
その気もちを子どもにぶつけてしまうことがあります。

また、子どもの将来への期待をあきらめきれないので、
ちゃんとできない子どもに、きつい言葉をいったり叩いたりします。

時には過剰なしつけをして、人並みにしようとしてしまうのです。

しつけをする際の注意すべき点

自閉症の子は、怒られているのは分かるのですが、なぜ怒られているのか
分からず、恐怖だけ感じ、よけいにパニックになってしまいます。

夫は手のかかる我が子に愛情が持てない、
妻の方は自閉症について理解しようとしない

夫が嫌いになってきて、離婚の選択をお互いすることがあります。

妻の心境:気もちに余裕がなくなる

離婚に至る場合、妻の気もちにゆとりがなくなって、
勢いで離婚してしまうということがあります。

それはそうですよね。

「自閉症」という診断を受けて一生懸命受けいれ、
育てにくい子どもがちゃんと育つように気をくばる日々。

子供のこれからの事、さらに先の事を考えれば
考えるほど心配事が増えていき無くなることはありません。

その上、「夫にも理解してほしい!」と思って話し合っても、
いつもケンカ。夫はがんとして自分のやり方を変えなかったら...。

夫の方も、まさに「髪をふりみだして」せまる妻に、
よけい心を閉ざしていきます。

まず妻に余裕がなくなって、それが夫に波及し、
離婚に至ってしまうケースが多いようです。

離婚を避ける唯一の方法

「離婚を避けたい!」という場合、夫婦にとって一番いいのは、
やはり「気づき」と「認知」です。

妻の方はできるだけ穏やかに過ごし、夫の様子を見る期間を持つことも大事です。

夫自身が「おや?」と思い始めた頃に、障害児親の会の集まりに誘って、
他の夫婦の話を聞いて少しずつ納得していくケースも多いのです。
   

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療育方法の違い

自閉症の療育には様々な方法が用いられています。

その代表的なものが、

  • TEACCH(自閉症児としての自立を支援)
  • ソーシャルスキルトレーニング
    (話す・聴くなどの会話する能力を向上させるトレーニング)

健常児でも育児方法の違いで、夫婦がもめることはよくあります。

ですが、自閉症の療育方法は、子どもとの関わり方に
注意しなければならないため、夫婦であつれきが生まれやすくなります。

たとえば、子どもが悪いことをした場合、妻の方は
よく勉強をしていて「子どもに理解できるよう説明」するのに対し。

夫の中には、「健常児だろうが自閉症だろうが、悪いことをしたら
叩いていい」と思う人がいて、過度のしつけとも思える行為をしたりします。

また、子どもの自閉症をカミングアウトすべきかどうかでもめることもあります。

その結果、夫婦で言い合いになることが多く、
お互いの気もちはどんどんすれ違い、離婚を選択するのです。

そうならないためにも、自閉症に対する療育を学ぶ必要があります。

また、身近な地域で支援をしていただける
「児童発達支援センター」なども検討してみるのも良いでしょう。

まとめ

結婚式の時に、「お互いを慈しみ、いかなる時も...」と誓い合った夫婦。

子どもが「自閉症」と診断されてすぐ「離婚」となるわけではありません。

そこには当事者にしか分からない葛藤・苦しみがあって、
毎日の生活の中でストレスがたまってしまい、爆発してしまうのです。

健常児の子育てでも、夫婦が言い合いになることは
めずらしくありませんが、将来への期待という意味で明るさがあります。

自閉症の子の場合は、「教育」ではなく「療育」に力を入れなくてはいけません。

これは、脳の障害の改善につとめる、
ということなので終わりがみえない戦いでもあります。